ビルや金をブロックチェーンで小さく分けて持てるのですか?トークン証券(STO)とSASEULのコイン(SL)は何が違うのですか

· 使いみち

ビルや金をブロックチェーンで小さく分けて持てるのですか?

法律は通り、2027年2月から証券としてできるようになります

2019年12月

不動産の小口化投資が規制の特例に指定 (サービス開始は2020年9月)

2023年2月

金融委員会がトークン証券の方向を発表

2026年1月15日

関連する法律が国会本会議を通過

2027年2月4日

法律の施行予定

韓国の金融委員会の報道資料(2019年12月19日、2023年2月6日、2026年1月15日、2026年9月4日)によります(2026年9月29日確認)

はい、できるようになりつつあります。ビルや金のような高いものを小さく分けて何人もで持つことを、小口化投資といいます。このかけらをブロックチェーン(何人もが同じものを持っている台帳)に記録した証券が、トークン証券(STO)です。

韓国では、この制度を定めた法律が2026年1月15日に国会本会議を通りました。韓国の金融委員会は、2027年2月4日に施行する予定だと発表しています。

法律が変わる前は何が不便だったのですか?

かけらを何人もで売り買いする制度が、法律にありませんでした。ビル1棟は、ひとりで買うには高すぎます。何人もでお金を集めて分けて持つなら、だれが何かけら持っているかを記録して、かけらを売り買いする場所が必要です。

金融委員会は2023年2月6日の発表で、こうしたかけらは法律上の証券にあたることがある、としました。ところが当時の法律には、こうした証券を何人もで売り買いする制度がありませんでした。そのため、制度の中で取引するのは難しいと書いています。

ブロックチェーンでやると何が変わるのですか?

だれが何かけら持っているかを、1社のコンピューターではなく、いくつもの機関が同じ台帳として分けて持ちます。一度書かれた記録は、あとからこっそり書き換えにくくなります。1か所の台帳だけが変わると、ほかの台帳と合わなくなって、ばれます。

法律にもこの点が書かれています。2026年1月15日の金融委員会の資料を見ると、改正された電子証券法は、この台帳を「無断削除および事後的な変更から保護される台帳」と定めています。

ただし、だれでも台帳に入れるしくみではありません。2026年9月4日の金融委員会の発表といっしょに公開された台帳の基準の手引きは、韓国預託決済院(韓国で証券の記録を管理する機関)がつくったものです。この手引きは、台帳をいっしょに管理するところを、預託決済院と証券会社のようなところに限っています。投資家の口座は、証券会社のような口座管理機関に開きます。

トークン証券とSASEULのコイン(SL)は何が違うのですか?

トークン証券は、法律が証券とみなす権利をブロックチェーンの台帳にのせたものです。金融委員会は2023年の発表で、証券を料理に、台帳の形を器にたとえました。器が変わっても証券という料理はそのままなので、投資家に情報を知らせる義務や営業の許可のような証券のルールが、同じようにかかります。

くらべたところ トークン証券 SASEULのコイン(SL)
どうやって生まれるか 会社が証券として発行し、投資家に売る SLはマイニングだけで生まれる (SASEULの上で別にトークンを作ることはできる)
法律でどう見るか 証券 金融当局が別に判断した資料は見つからず
使いみち ビルや事業から出た取り分を受け取る権利など SASEULの台帳に取引をのせるときに手数料として払う (払った手数料は検証人の取り分になる)
台帳をいっしょに持つところ 預託決済院、証券会社など マイニングに参加したコンピューター

SASEULの公式ドキュメントには、SLはマイニングだけで生まれ、台帳に取引をのせるときにSLで手数料を払うと書かれています。プロジェクトの紹介(CoinMarketCap)には、前もって売った分やチームに配った分はないと書かれています。トークン証券のように、会社が証券として発行して売ったコインではありません。金融当局がSLについて別に判断した資料は見つかりませんでした。

ただし、SASEULの台帳の上では、だれでも自分のトークンを新しく作れます。公式のGitHubにはトークンを作る例の契約があり、2022年9月9日のお知らせ(#13)もトークンを発行する費用を取り上げました。そうして作ったトークンが、そのまま法律でいうトークン証券になるわけではありません。韓国では、トークン証券は預託決済院の基準に合う台帳(預託決済院と証券会社のような口座管理機関だけが参加し、手数料用のコインを作らない台帳)に記録しなければなりません。そのため、だれでもマイニングで参加し、SLで手数料を払うSASEULの台帳とは合いません。

2023年の発表には、証券かどうかは権利の実際の中身を見て、ケースごとに判断すると書かれています。その判断と証券のルールを守る責任は、発行したり扱ったりする側にある、としています。

実際にやったところはあるのですか?

不動産ではあります。金融委員会は2019年12月18日、カサコリアのブロックチェーンを使った不動産の受益証券サービスを、革新金融サービスに指定しました。革新金融サービスは、新しい金融サービスを決められた期間、規制の一部をゆるめて試せるようにする韓国の制度です(規制のサンドボックス)。

2026年2月13日の金融委員会の資料によると、2019年から2024年までに小口化投資でこの特例を受けたのは6社です。不動産は、カサコリア(2020年9月開始)、ルーセントブロック(2022年4月開始)、ファンドブロックグローバル(2022年6月開始)があります。音楽の著作権料、貸付債権、航空機のエンジンもあります。

美術品は、少し道が違います。2026年1月の金融委員会の資料には、美術品と韓牛(韓国の牛肉)の事業を分けた証券が発行されていると書かれています。

金融委員会は2023年12月13日、韓国取引所に、美術品や著作権のような小口化投資の証券の市場を開けるよう特例を出しました。2026年9月4日の資料には、韓国取引所は必要ならこの市場を開ける、とだけ書かれています。

金は、ブロックチェーンがなくても、もう小さく分けて売り買いされています。韓国取引所の金市場は2014年3月24日に開き、1g単位で取引できるようにしました。金をトークン証券にして分けた商品を金融当局が許可したという発表は見つかりませんでした。

掲示板に日付のカード4枚が矢印でつながった絵。2023.02.06 ビルのかけら、2026.01.15 法律の本、2026.09.04 つながったブロックの台帳、2027.02.04 人が入っていくビル(紺色で強調)
トークン証券の制度が歩んできた道を絵にしました。方向の発表(2023年2月6日) → 法律が国会を通過(2026年1月15日) → 政策の方向と台帳の基準の手引き(2026年9月4日) → 法律の施行予定(2027年2月4日)。
日付 あったこと (金融委員会の資料)
2023年2月6日 トークン証券の発行・流通の方向を発表
2026年1月15日 電子証券法・資本市場法の改正案が国会本会議を通過
2026年2月 改正電子証券法を公布
2026年2月13日 小口化投資の店頭取引所2か所を予備認可 (ビルのかけらのような小口化投資の証券を売り買いする場所で、SASEULとは関係なし)
2026年9月4日 トークン証券の政策の方向を発表
2027年2月4日 法律の施行予定

細かいルールを定める施行令の改正案は、2026年9月29日の時点で金融委員会の報道資料の一覧に見つかりませんでした。店頭取引所2か所は、2026年8月10日に金融委員会と金融監督院に本認可を申請したと記事に出ています。2026年9月30日までの金融委員会・金融監督院の報道資料に、本認可の発表はありませんでした。

何に気をつければいいのですか?

トークン証券も投資です。ビルの値段が下がったり、事業がうまくいかなかったりすると、お金を失うことがあります。ブロックチェーンの台帳が守ってくれるのは、だれが何かけら持っているかだけで、ビルの値段は守ってくれません。

売りたいときにすぐ売れないこともあります。2026年2月の金融委員会の資料を見ると、サービスを始めた特例4社の転売の窓口(流通チャネル)で2024年の1年間に取引された金額は、買い側の基準で合わせて約145億韓国ウォンでした。金融委員会は、これを小さな市場だと書いています。

先に出てきた6社は特例を受けたところ全部で、4社は同じ資料がそのうちサービスを始めたと書いているところです。

これから、かけらは店頭取引所(証券取引所の外でかけらを売り買いする場所で、SASEULとは関係ありません)で取引されます。金融委員会は、一般の投資家が1年に買った金額から売った金額を引いた値が、取引所ごとに1億韓国ウォンを超えないように決める、としています。

最初に書いた中身がまちがっていれば、台帳もまちがったまま残ります。ビルが本当にあるのか、契約が正しいのかは、台帳の外で人と機関が確かめなければなりません。

どんなブロックチェーンにのせてもトークン証券になるわけでもありません。預託決済院の台帳の基準の手引き(2026年9月)は、証券の記録を処理しながら手数料用のコインを新しくつくったりやりとりしたりすることを禁じています。金融委員会は、認可なしにトークン証券の仲介の営業をすると法律違反だとしています。

SASEULがどんなブロックチェーンかはSASEULの基本情報に、SASEULのコインがいま何に使われているかはSASEULのコイン(SL)は何に使うのですか?にあります。9席のうち6席の署名はSASEULの2つの台帳のしくみにあります。

参考にしたところ


金融委員会の資料7件と別添の手引き、SASEULの公式ドキュメント、CoinMarketCapの紹介を、2026年9月29日に直接開いて確かめました。2026年9月30日には、SASEULの公式ドキュメント(Node Overview)、公式GitHubの例、お知らせ#13、店頭取引所の記事2本、金融委員会・金融監督院の報道資料の検索も確かめました。